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カチオン電着塗装とは
カチオン電着塗装とは、被塗物に塗料の固形分を析出させ、焼付けることにより、塗装を施す電着塗装の一種であり、その中でも塗料がプラスに荷電して、マイナス側の被塗物に析出するものことを指します。黒い見た目が特徴的で耐食性に優れた塗装方法であり、主に自動車部品、農業用機械、産業用機械などの構成部品を塗装する際に用いられます。
一方でカチオン電着塗装と混同されるのがアニオン電着塗装です。この塗装方法は電着塗装が普及した初期の頃に用いられていた方法であり、カチオン電着塗装とは対照的に塗料がマイナスに荷電するものとなります。アニオン電着塗装は電着時に被塗物からの錆びの原因となる鉄溶出が起こりやすいため、次第にカチオン電着塗装が使用されるようになりました。ただ、アニオン電着塗装は全く使われなくなったというわけではなく、カチオン電着塗装ではアルマイト皮膜を破壊してしまうため、現在でもアルミサッシを塗装する際は、アニオン電着塗装が用いられています。
カチオン電着塗装のメリット・デメリット
近年、需要が高まるカチオン電着塗装ですが、メリットとデメリットが存在します。下記では、こちらについてご紹介します。
メリット
カチオン電着塗装のメリットは優れた耐食性と塗装の均一性が挙げられます。優れた耐食性を持つ理由は、塗料の原料として使用されているエポキシ樹脂にあります。エポキシ樹脂は水分や酸素を通さない性質を持つため、錆を予防する効果を持ちます。
塗装の均一性については、人の手により塗料を吹き付けるのではなく、化学反応により被塗物の表面に塗料の固形分を析出させることにより実現できるもので、この均一性から下塗り塗装として用いられることも多々あります。
デメリット
カチオン電着塗装のデメリットとしては、エポキシ樹脂の特性上、耐候性に劣り、直射日光や紫外線に長時間当たると劣化してしまうということが挙げられます。また、塗膜が柔らかいため、傷つきやすいというデメリットも存在します。これらのデメリットを解決するためには、塗膜を厚くすることや耐候性に優れた塗料を上塗りすることが挙げられます。耐候性に優れた塗装方法としてアクリルカチオン電着塗装というものが存在します。アクリルカチオン電着塗装は変色も少ない塗装ではありますが、エポキシ樹脂の成分比率が低いため、耐食性が落ちてしまうものとなっております。
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