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技術コラム

ガスピンとは?当社の取り組み内容もご紹介

カチオン電着塗装における「ガスピン」とは?

カチオン電着塗装における「ガスピン」は、塗装の際に発生する不良現象の一つです。これは、水素ガスが放電し、その電気エネルギー(火花)によって塗膜の一部が硬化することに起因します。最終的に焼付け後に針穴状のピンホールとして残ります。この現象は、ウェット塗膜中の水素ガスが乾燥過程で放電し、穴のあいた状態のまま残ることで発生します。

「ガスピン」が起こる原因とは?

ガスピンが起こりやすい被塗物状態と塗料の特性や塗装設備をそれぞれご紹介します。

該当する項目がございましたら、これを機に見直しいただければと思います。

①被塗物素地の状態

・水素ガスが抜けにくい構造

・溶融亜鉛メッキ鋼板は、高電圧・低液温条件で最もガスピンが出やすい

②塗料の特性

・MEQ(酸濃度)が高い

・塗料NV(固形分含量)の低下

③塗装設備の問題

・電極面積が小さい

「ガスピン」を引き起こさない藤塗装工業の取り組みとは?

カチオン電着塗装.comを運営する藤塗装工業では、自社で塗装した製品からガスピンが発生しないように、下記の3つの項目に意識して取り組んでいます。

①溶剤量の増加と電圧調整

溶剤量を増加し、焼付け時の塗膜の流動性を向上させることで、ガスピンの発生を抑えます。同時に塗装電圧を下げることも効果的です。

②環境整備と条件管理の見える化

電着工程の環境整備と条件管理の見える化を徹底しています。これにより、安定した塗装品質を維持します。

③水洗ブースの清掃と環境整備

後水洗(UF・RO)ブースの清掃および環境整備を定期的に行い、塗膜中の不純物を除去します。

④塗料管理のクラウド化

塗料管理の見える化を進め、クラウド上でリアルタイムに管理しています。

⑤緊急時の対応策

液温アップ、電圧低下などの緊急対策を実施し、ガスピンの発生を迅速に抑制します。

⑥塗料電導度を下げる

塗料電導度の低下を図り、UFろ液の廃棄を行うことで、塗膜中のガス発生を抑えます。

カチオン電着塗装のことなら、藤塗装工業株式会社にご相談ください!

ガスピンはカチオン電着塗装で起こりやすい不良の代表的な一つで、実際に皆様の中でもリアルタイムで悩まれている人もいるかと思います。当社では30,000件以上の塗装実績があり、そこで培った技術・ノウハウを活かし、お客様が抱える不良の悩みを解決します。

「複雑な製品形状だけど、均一に塗装してほしい」「試作品なので、不良を起こすことなく短納期で対応してほしい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

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