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技術コラム

エアポケとは?当社の取り組み内容もご紹介

カチオン電着塗装は耐食性に優れた塗装方法です。しかし、塗装時の製品の取り扱いや製品の掛姿勢を誤ると、塗装不良が発生します。そこで今回は代表的な塗装不良である「エアポケ」についてその対策をご紹介します。

カチオン電着塗装における「エアポケ」とは?

エアポケとはエアポケットの略称で、被塗物を電着槽に入槽した時に、被塗物内に空気が残ってしまい、その部分だけが塗装されないという不良のことです。お風呂で洗面器の底を上面にして沈め、全てが浸かった時に洗面器をひっくり返すと、上部に残った空気が飛び出すことをイメージしていただければと思います。

そのため、コップやオイルパンのような形状的に深みのある製品はエアポケが起こりやすい特徴があります。
エアポケが発生する=塗装が出来ていない箇所が生まれることなので、カチオン電着塗装の強みである均一な耐食性が失われ、製品寿命が下がります。例えば、電子部品でも使用されるカバー部品はエアポケができやすい形状ですので、発生した錆が電子回路に致命的な異常を起こしたケースもあるようです。

また、深さ3mmといった予想できない場所にも出来てしまう可能性がありますので、しっかりとした品質の作りこみが重要となります。

「エアポケ」が起こる原因とは?

エアポケが起こりやすい被塗物状態と塗装設備・工程をそれぞれご紹介します。
該当する項目がございましたら、これを機に見直しいただければと思います。

①被塗物状態
・被塗物が電着槽に入槽するとき、被塗物から空気が抜けない構造になっている

②塗装設備(ハンガー)
・被塗物から空気が抜けにくい掛姿勢になっている
・塗料槽内の撹拌(流量)が不十分である

「エアポケ」を引き起こさない藤塗装工業の取り組みとは?

カチオン電着塗装.comを運営する藤塗装工業では、自社で塗装した製品からエアポケが発生しないように、
下記の3つの項目に意識して取り組んでいます。

①空気の抜き穴提案

当然、お客様の製品仕様上、どうしても出来てしまう製品は存在します。そういったエアポケが発生する可能性が高い被塗物構造時は、製品に支障が出ない箇所に空気の抜き穴を作る提案をしています。

②専用のハンガー(塗装治具)を設計・製作

エアポケは空気が出来てしまう掛姿勢で入槽してしまうことが原因ですので、当社では過去に発生した掛姿勢から専用のハンガーを設計・製作しています。

③流量をデジタル管理

塗料が攪拌しているために、掛姿勢が正しければ絶対に起こらないことではありません。流量が基準値に満たなければ、エアポケは発生してしまいます。そのために、当社では流量をデジタルを活用して、可視化して管理をしています。

カチオン電着塗装のことなら、藤塗装工業株式会社にご相談ください!

エアポケはカチオン電着塗装で起こりやすい不良の代表的な一つで、実際に皆様の中でもリアルタイムで悩まれている人もいるかと思います。当社では30,000件以上の塗装実績があり、そこで培った技術・ノウハウを活かし、お客様が抱える不良の悩みを解決します。

「複雑な製品形状だけど、均一に塗装してほしい」「試作品なので、不良を起こすことなく短納期で対応してほしい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

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